坂本さんの舞台 アリバイのない天使を観に行ってきました。
Jrのかざポンが初共演ということで楽しみでした。
最近の坂本さんの舞台は、シリアスなのやミュージカルが多かったから
今回の舞台は、めずらしくて余計に楽しめました。
キャスト
西村君=坂本さん
社長=久ヶ沢徹さん
バイトの多田君=かざポン
キャバ嬢柚奈=安倍麻美
チーフ五十嵐=愛華みれさん
刑事=植本潤さん
怪しい男松本=菅原永二さん
滝川さん=横山めぐみさん
ストーリー
一流企業で働いていた西村君(坂本さん)は、
上司の陰謀で汚職の濡れ衣を着せられてリストラされてしまった。
でもそんな事は母親に言えず、
毎日サラリーマンの格好をして出勤する振りをしながら
自分を陥れた上司に何か仕返し出来ないかと
上司の周辺をウロウロしていた。
そんなある日上司が「アリバイ屋」と呼ばれる
怪しい会社に入っていくのを目撃。
上司は、奥さんにナイショで浮気していた。
西村君は、ここで弱みを握れないかとアリバイ屋に足を踏み入れた。
そこには怪しげな社長と社員達。
「お願いです。専務は何のアリバイ作りのためにここに来たんですか?」
とたずねても、
警察の捜査と勘違いされたり、「お客様の情報ですから」と
上司の話も聞けなかったりで 西村君はグッタリ。
するとアリバイ屋の社長が
「社員が不足してるから、ここでアルバイトしなさい。
バイトしているうちに、お客様の大切な情報も目に入るかもよ」
とめっちゃいい加減で軽いノリで誘い、西村君は無理やりバイトする羽目に。
しかもその仕事は、許婚との結婚を断るために
架空の彼氏を希望したキャバ嬢の彼氏役(^^;)
「オレにそんな演技出来るわけがないでしょう!!」
と慌てる西村君にチーフの五十嵐(愛華みれさん)が
「あたしのシナリオどおりに行動すれば大丈夫。」と
無理やりキャバ嬢の修羅場へ(笑)
そして結果はNG☆
ナントキャバ嬢の許婚は、西村君の会社の同僚だったのだ。
実はこのキャバ嬢、大学に通いながらキャバクラでバイトしていることは
もちろん両親になナイショ。
父親は、自分の娘は、まじめで父親思いの品行方正だと思っている。
そして、偶然にもキャバ嬢の父親が、西村君の敵の上司で
その上司の御めがねにかなった同僚がキャバ嬢の許婚。
キャバ嬢は、許婚なんて言われても全然乗り気じゃない。
西村君は、同僚にリストラされた事をからかわれ、
思わず同僚を殴ってしまった。
で、それを同僚に告げ口されて、怒った上司がアリバイ屋に乗り込んで来るという。
その間に社長の知り合いで、拳銃盗難の容疑がかかった怪しい人や
それを追う刑事が出入りしたり、
アリバイ屋の裏口が喫茶店につながっていて、
そこの店長がアリバイ屋でアルバイトしていたり、
そのアルバイトが女装したりと大騒ぎ。
さらに余命いくばくもない謎の女性が
「私が死んでも生きているようにアリバイを作ってください」と
西村君にお願い。
西村君は、たった1日ですっごく忙しい日を過ごすのだった(笑)
久し振りのコメディタッチの舞台。
坂本さんがあんなに情けない男の役はめずらしい。
通勤かばんを抱えてスーツ姿で汗だくで
やたらと気が小さくてカッコ悪くて
情けなかったわ〜〜〜(笑)
会社の派閥争いの餌食になってリストラされて
その上司をずっと恨むのはわかるけどね〜。
力のないサラリーマンだから一人で戦えない。
だから上司の弱味を握って困らせよう、そしてあわよくば
また元の会社で雇ってもらえるんじゃないか!?と期待してるところがなんだかな〜(笑)
ちなみにアリバイ屋とは、浮気を奥さんに知られないように
あたかも出張しているように見せかける仕掛けのお手伝いをしたり、
または水商売をしていることを家族に知られないように
架空の会社に勤務しているように見せかけるお手伝いをしたりして
ご依頼人からお金をもらう商売。
架空の会社を登記していくつも立ち上げ、事務所にその会社の数だけ
電話をひいて、お客さんの家族からの確認の電話に備える。
「○○さんの奥様!?いつもお世話になっております〜。○○さんはですね、ただいま出かけておりまして・・
ハイハイ。お伝えいたします〜、では・・・」といった具合に
各電話に全部五十嵐さんと多田君が応対。
そのみごとなかわしっぷりを観てたら
けっこうこんな会社ってあるんだろうな。と思ってしまいました(笑)
上司を追いかけて入ったアリバイ屋で
全然無関係のキャバ嬢の、架空の彼氏役に仕立て上げられて
その役目も果たせずに失敗して五十嵐さんに怒られ、多田君に馬鹿にされ、
頭がぐちゃぐちゃになっているところへ
綺麗な女性が現れて「両親にナイショで病院で検査を受けるんですが
心配させたくないんです。海外旅行に行ってるようにアリバイを
作ってもらえませんか?」と相談された西村君。
まじめに考えて「うそは・・・・いけないと思います。いつかバレますよ」と
依頼を断ってしまう。
西村君としては、アリバイなんかを作ってその場しのぎを
する人たちがなんとなく許せないから
女性がアリバイ作りをあきらめて帰ってくれたことが
すっごくうれしかったんだけど、
そこにチーフの五十嵐さんが帰ってきて
「あんた何てことしたのよ!あの人の病気は治らないの。
今度の検査入院だって長くなるの。
それでもご両親に心配させたくないから
長期旅行に行ったことにしといてくれって依頼されてたのに・・・。
ついてもいい嘘もあるのよ!」
と怒られて落ち込む。
でも少し後で現れた女性が
「やっぱりアリバイをお願い。残された命を海外で有効に使います。
でも両親には私が生きているように思ってもらいたい。
だから西村さん、来年から毎年両親の誕生日に手紙を送ってほしいんです。
こんなお願い・・・無理ですか?」
女性の真剣なお願いに、思わず西村君は「・・・・はい・・・・・」と依頼を受ける。
女性を見送ったあと、西村君はなにかを悟ったようにまじめな顔になる。
きっと女性との約束でアリバイ屋として責任感が芽生えたのではないだろうか(^^;)
そのあと上司(キャバ嬢の親)が乗りこんで来て、
五十嵐さんは事態を収拾するために色々考えるんだけど
結局は、西村君の演技にかかってる、ということで
スタッフが心配する中で、憎い上司と一騎打ち。
戦うと言ってもおおまかなセリフは五十嵐さんの台本通り。
ほぼそのせりふを言ってるだけなんだけど、
今までの気弱な西村君がウソみたいに、上司と取引をするのよ。
「最初は専務に仕返しするつもりで娘さんに近づいた。
でも本気で娘さんを好きになってしまった。
本当のことを娘さんに告白しました。
そしたら娘さんは、こんな俺の見方になってくれました。
俺は、娘さんからあんたの秘密を聞いている。」
上司は、汚職をバラされたくないし、できれば娘と西村を別れさせたい。
ついでに浮気もバレたくない(笑)
だから西村君が秘密を黙っててくれるなら
自分の知ってる会社へ西村君を入社させてくれるという。
「悪い話じゃないだろう?君にとっても私にとっても」
でも、西村君は
「お断りします。でも娘さんとはもう逢いません。
ですが専務、自分のしたことを振り返って反省してください」
と取引をお断りする。
上司もすっかり西村君の演技にだまされて、娘と一緒に帰っていった。
西村君の問題のほかに、朝から社長の知り合いが
拳銃盗難容疑で刑事に追われて逃げ込んできて
それを喫茶店から逃がしたり、
多田君が女装して刑事をまいたりと
たった1日なのにアリバイ屋は大忙しでした。
前記の多田君ことかざポン。
さすが舞台俳優!!
堂々としてて舞台をかる〜く動き回ってて
しかも喫茶店の店長のコスチュームが似合ってて、
さらに女装も似合ってて、
刑事に「ドストラ〜イク!!」って言い寄られたり
その刑事に「なんであんなに原田知世に似てるかなあ!!」と
ほめられたり、社長には「・・・高見沢・・・・?(アルフィー)」と
言われて客席から大笑いされたり、
舞台上でパンツ1丁になって
五十嵐さんに裸を見られないように慌てて胸をかくしたり(笑)
主役は坂本さんだったけど、かざポンが面白かったな(*^^*)
それから社長さんが、すっごくナイスキャラでした。
全然まじめなところが無い(笑)
でも昔は刑事だったらしい(笑)
そして困ってる坂本さん(いや、西村君)に対して
くすくす笑った挙句「あんなにスタイルがいい(笑)」と
情けないキャラとスタイルのギャップをネタにしたり
一言一言がいい加減で楽しかった。
客席には、舞台を何度か観たお客さんが多かったのか、
社長が登場するとすでに客席が笑う準備をしていたような(^^;)
だからその空気感で社長がちょっと動いたり何かを発言しただけで
客席が笑いの渦に(笑)
ぬーもつられてずっと笑ってました。
ずっとドタバタしていたアリバイ屋でしたが
キャバ嬢の問題、そして拳銃盗難容疑の人の濡れ衣も晴れて
残るは西村君本人の問題。
リストラされたことを母親に電話して告白すると
なんと母親はすでに感づいていました(さすが親だよね)
で、なんとな〜くスッキリして西村君もこのアリバイ屋で
バイトするのかな〜〜〜〜、と思っていたら
最後に謎の女性が元気に飛び込んできた。
なんとこの女性、アリバイ屋のスタッフだった(笑)
いまいちやる気の無い(あたりまえだ:笑)西村君を
バイトで働く気にさせるために
社長が五十嵐さんに頼んで
スタッフの女性(役名は滝川さん)に一芝居打たせたの。
アリバイ屋の仕事で救われる人もいるんだよ、と
西村君に思い込ませる作戦だった様で(^^;)
それにまんまと乗ってしまった西村君。
儚い命だと思って惹かれた女性に、いや、
アリバイ屋に騙されてたと知った西村君はショックを隠せなかったけど
1日めちゃくちゃな体験をして吹っ切れたのか
帰るコールをした母親に「ま・・・明日のことはわかんないや」と
どうでもいい様子でした。
あのあと西村君はどうしたのかな。
アリバイ屋でそのまま雇ってもらう気はなかったみたいだけど
けっこう似合ってたから就職しちゃえば良かったのに。
ああ、でも楽しかった。
やっぱり舞台はコメディーがいいな。