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坂本さんの舞台「Pal Joey」を観て来ました。

坂本さんの舞台、ミュージカルはなんだかんだで全部観てると思う。
ブロードウェイのミュージカルを演じることが多い坂本さん。
今までもイロイロな「色男」の役を演じているのを観てきました。

ストーリーは、とってもわかりやすかった。
シカゴのとあるクラブに現れたジョーイ=エヴァンスという男。
彼は、巧みな口説き文句で数々の女をひっかけ、誘惑し
時には、女性に金銭的援助をしてもらいながら
クラブシンガーをしている。
ジョーイは、自分の店を持って新しいショーを作るのが夢。
MCとして働き始めた店に、
偶然昔の彼女グラディスがシンガーとして働いていた。
突然いなくなったジョーイにグラディスは何かと恨み言を言うが
実は、まだジョーイが気になっている。
ジョーイの甘い誘惑に他のダンサー達もメロメロ(表現が古いか:笑)
さらにカフェで、田舎娘のリンダにもちょっかいを出すジョーイ(^^;)
純粋なリンダは、自由なジョーイに惹かれる。

そしてある夜資産家の妻ヴェラが店にやって来た。
資産家、と聞いてさっそくヴェラを誘惑するジョーイ。
最初は、品の無いジョーイを毛嫌いするヴェラだったが
夫は海外に長期出張中で、何となくジョーイを部屋に招いてしまう。
そしてヴェラは、ジョーイの店を持つ夢に出資する。
なんと今までジョーイが働いていたクラブを買い取り、
ジョーイをオーナーに。
今までのオーナーは、ジョーイの発案でクラブのショーに出演。
夢がかなったジョーイは、新しいショーを作るのに夢中になる。
でもショーになかなかお客がつかない。
度重なるショーのプログラム変更と不遇な扱いに
怒ったグラディスは、ジョーイと衝突し、クビにされた。

ジョーイに思いを寄せるリンダは、
ヴェラとジョーイの関係を知って
ジョーイを忘れる決心をする。

グラディスは、元のオーナーをたきつけて
ヴェラのところへ乗り込む。
「資産家の奥様のスキャンダル。マスコミにばらされたくなかったら
2万ドル用意して」
ヴェラは驚くほど冷静に2万ドルの小切手を2人に渡す。
ヴェラは、ジョーイとの関係が親密になるほど
切なくなる自分の気持ちにブレーキをかけた。
「もうおしまい。」

ヴェラの夫がジョーイのクラブを売ったため
ジョーイは再び流れ者に(^^;)
ニューヨークへ戻って1からやり直そうとするジョーイだった。

グラディスは、元オーナーに2万ドルをすべて渡した。
元オーナーは、故郷に帰っていった。
そしてジョーイに「誰にも頼るんじゃないわよ」
とエールを送った。

ジョーイ、グラディス、ヴェラ、リンダ共にそれぞれが
自分の足で生きようと未来に向かって進み始めた。

が、今回のジョーイというキャラクターは、今までで一番気に入らない(笑)
自分勝手すぎて、全然好きになれなかった。
坂本さん自身のレベルはすごいのよ。
歌も演技もダンスも!!!!
役者としての坂本さんは大好き。
でもジョーイは好かん(笑)
女性に言い寄るときに「母が入院中」とか言ってたけど
あれもどうせウソだろう。
ストーリーが始まってすぐにジョーイの女たらしっぷりと
自分勝手さにイラっとしてしまった(笑)
ヴェラに援助させ、自分の店を持ったら
自分勝手さに拍車がかかって
ダンサーさんたちが「グラディスがいなくなって、誰もジョーイを止められない」
って嘆いていた。
結局最後は、ダレも自分のそばにはいてくれず、
1人でニューヨークへ帰ったジョーイ。
思い知ったか、この女たらし(笑)

それから共演の皆様ですが
まずは、高畑さん
体格もいいし、歌声もステキ。
最初はただのお金持ちのおば様だったけど
ジョーイに本気で恋してしまって
はしゃいだり、ジョーイを甘えさせたりして
寝ているジョーイのそばで
「恋だなんて・・・」と切なく歌うシーンはぐっときました。

グラディス役の彩吹真央さん。
こちらは元宝塚の男役のお方。
宝塚の男役の方々が女性の役を演じると
なんであんなに綺麗なんでしょうか。
ジョーイに捨てられてもなお、ジョーイが忘れられなくて
「成功する人だって信じている」と言い切るグラディスが
ジョーイに仕返しするためにヴェラを脅したけど
ぬーは、グラディスに同情したな。
結果として、何も無くなったジョーイは、シカゴを出て行くんだけど
これが思い上がったジョーイにとって一番いい結果じゃないでしょうか。

そういえば、ロビーに湖月わたるさんからお花が届いてたけど
お二人とも大好きです(*^^*)

リンダ役の桜乃彩音さんは、ただただ可憐でした。
ジョーイをめぐってヴェラ、グラディス、リンダが恋のバトル(?)を
繰り広げるんだけど、リンダは、純粋な普通の女の子だったから
イマイチ印象が薄い。
ちょっと天然キャラでかわいかったけど、
3人の女性の中では、一番感情移入しにくかった。
でもヴェラにジョーイとの仲を牽制されたとき、
悔しさとショックに絶えるリンダは、かわいそうでした。
意地悪されたのに、グラディスの脅迫の計画を知って
ヴェラに知らせてあげるなんて・・・・なんていい子なんだろう(T_T)
これからは、ジョーイみたいなヤツに引っかからずに生きていってね(笑)

他のダンサーさんたちは、ずっとセクシーな下着姿(みたいな衣装)でした。
最初のクラブでは、ブラックとゴールドの下着&ガーターベルト。
ジョーイのクラブになってからは、ちょっとさわやかな
ホワイト&水色の下着&ガーターベルト。
けっこうきわどい衣装でしたが椅子に座って足を180度開脚したり
足を上げたりして、激しいダンス。
ダンサーさんだからそんな心配はしなくていいんですが、
「あっあっ!見えちゃうよ!きけんだよ!」と心の中で何度か叫んだ(笑)

生バンドが入ってて、ずっとジャズを演奏していました。
最後は、一人ずつ演奏しながらメンバーが抜けていき、
最後にピアノだけの演奏に。
で、ピアノの人が最後に立ち上がって挨拶して
舞台から退場するというおしゃれな構成でした。

全体的に、本当にミュージカルだな〜、という印象。
ただ・・・ジョーイのキャラが少しも好きになれなかったのが残念。
せめて最後に心を入れ替えたジョーイが3人の誰かとハッピーエンドにでも
なれば後味が良かったんだけどな。
ま、坂本さんがアンコールで最後に
カーテンの間から出てきて挨拶してくれて
帰るときに入り口を間違え(たボケ)て笑いをとり、
最後の最後にカーテンから手だけ残してさよならしてくれたから
良しとしよう。