しょうが焼きが食べたい ICON26B.GIF - 2,668BYTES


 

イノッチの舞台を観におなじみのグローブ座へ行って来ました。
イノッチの舞台は、面白いのが多くて今回も期待は大。
そして期待通りの面白さでした。
いや〜、ヨーロッパ企画って面白いなあ。

舞台は、近未来というか、もう少し先の日本。
そのうち本当にこんな時代が来るかも、って思いました。

キャスト

フジタ
イノッチ
管理人さん
芦名星
父親(電気屋)=市川しんぺー
オノさん=音尾琢真
サバイバー=伊達暁

住宅バブルがはじけて高層高級マンションが乱立しながらも
都内の芝浦では、空き部屋がいっぱい。
不景気で部屋を借りられない人間は、あたりまえのようにホームレスに。
橋の下や公園などに自由に住まいを作って生活している。
ほとんど一つの町の様。
主人公のフジタ君(イノッチ)は、
そんな芝浦の不動産屋「東京アーバンネット」に転勤してきた。
その1日目に同僚のオノさんに近代的な不動産屋のブラウジングシステム
使い方を見せてもらう。
お客さんが物件を探しに来た時、実際そこへ行かなくても
物件が見られるようになっていた。
機会操作をするうちにフジタ君は、ある橋の下で生活している住人達が気になる。
綺麗な女性、ギャル、引きこもり、サバイバーなど個性的な面々。
その住人達が、女性が作った夕食をみんなで食べ、それぞれの住居に戻っていく。
転勤1日目で、まだ自分の住居も決まっていないフジタ君
どうしてもその橋の下に住みたくなってしまった。
そこで管理人さんと呼ばれている女性(芦名星)に許可をもらって
空いていた橋の一角に住居を構える。
そうしてわかったのが、住人達の職業。

橋桁の空間に住んでいる人は、建設業。
無職だと思っていた人は、電気工事の仕事をしていて1人娘と暮らしていたし、
引きこもりだと思った人は、職業はDJ。
その隣の住人は、司法試験を失敗し続けている。
その他、ギャルやリヤカーで移動しながら仕事をしているバリバリのビジネスマン、
野草を採取ながら生活している自他共に認めるサバイバー。
同僚のオノ君に引越しを手伝ってもらいながら
管理人さんの作った夕食を囲み、
橋の下ライフを楽しんでいた矢先に
この周辺一帯の再開発が決まる。
再開発するのは、フジタ君達の
東京アーバンネット!

立ち退きを迫られた住人達は、思い出作りに
毎年開催されているホームレスの人たちの集団対抗運動会に全員参加することに。
もちろんフジタ君や、なぜか同僚のオノ君も一緒に(笑)
運動会の後、バラバラになった橋の下の住人達。
フジタ君は、会社を辞めて独自に空き地をホームレスに提供する
新たな不動産屋を始めたのだった。

ナントも不思議な世界でしたが
将来的にこんな事もあるかもな〜、って思いました。
橋の下の住人達のところには、定期的に役所の人が尋ねてきて
立ち退きを迫るんだけど、こういうホームレスがあまりに多すぎるので
「立ち退いた写真を撮らせて」一時的に橋の周りを片付けて写真を撮って帰っていく
もう形式的にやってるだけ(笑)
橋の下の個性的な家には、電気も水道も引いてあって
管理人さんが豪快にキッチンで食事を作る。
本当にしょうが焼きを料理してました。
本当に炒めていたから、前の方の席だったぬーの鼻には
おいしそうな香りが流れてきて、お腹がすきました(笑)
で、ご飯が出来ると住人みんながワラワラと住居から這い出してきて
炊飯ジャーからご飯をよそい、テーブルや椅子を用意して
みんなでにぎやかに食卓を囲む。
なんかほのぼのしてて良いシーンでした。
食べているご飯も本物で、管理人さんが作ったおかずも
本当に皆で食べていました。

それにしても主人公のフジタ君は、まんまイノッチっぽかった気がする。
住人の生活に興味が沸きすぎて、自分の部屋のイメージを設計して
そこへ引っ越しちゃう。
そしてすぐに住人の皆さんとうちとけちゃう。
フジタ君がここへ引っ越して、立ち退きが決まるまで
たった1日しかなかったのに(大笑)
もはやリーダー的に住人を盛り上げて
翌日の運動会に参加してしまう。
で、そこへ同僚も巻き込んでしまう。

本当にイノッチ
でもやりそうなエピソードでした。
というか、ぬーもこんな生活をしてみたいと思いました。
このストーリを見たら、たとえ自分がホームレスになる時代が来ても
仲間がいれば、楽しく生きられる気がしました。