フランケン 。ICON26B.GIF - 2,668BYTES



フランケンシュタインを観てきた。
おなじみのグローブ座。

坂本さんと東山さんの舞台なんて、
ジャニオタ歴長いぬーにとっては大変興味深かった。
博士とフランケンを坂本さんと東山さんが交代で演じるとかで
最初、どっちが博士の時に観に行こうかな、と悩んだけれど
結局今の師弟関係と同じような
博士東山さん
フランケン坂本さん
の公演を選びました。

ビクター.フランケンシュタイン東山さん
クリーチャー坂本さん

ストーリー

1800年代のヨーロッパ。
天才科学者のビクター.フランケンシュタインは、生命体を造る研究に没頭。
墓場の死体からつなぎ合わせたような人造人間「クリーチャー」を造った。
実際に命を与えられ、動き出したクリーチャーはこの世のものとも思えないほど醜かった。
言葉もわからない、自分が何者でどこにいるのかもわからないクリーチャー
ビクターの姿を見つけると奇声をあげてすがりついたが
あまりに醜い姿に造り主のビクターは、逃げ出してしまった。
ビクターが残したコートを身にまとい、町に出たクリーチャー
だが、あまりに醜いために町の人間に袋叩きにされる。

町を追われ、森に逃げ込んだクリーチャー
草の実を食べ、太陽の光や雨に喜びを感じながら
森の中で農業をしながらひっそりと暮らす、ド.レイシー一家の家にたどり着く。
盲目のド.レイシーは、クリーチャー
の容姿がわからない。
「お前、言葉が話せないのか?それにひどい怪我だ。戦争で傷ついたのか?」
クリーチャーに手で触れ、哀れに思ったレイシーは、
クリーチャー
に言葉を教え、知識を与えた。
「自分の姿を見たら、きっと嫌われる」と、
レイシーの息子夫婦には、決して自分の存在がバレないようにしていたが
ある日、レイシーが「わたしの息子達なら大丈夫だ」という言葉を信じ
息子夫婦の前に姿を現したクリーチャーだったが
やはり息子達は恐怖に怯え、クリーチャーを追い出した。
息子夫婦からクリーチャーの容姿を告げられたレイシー

「化け物・・・ああ、わたしは何てことをしてしまったんだ」
化け物に知識と感情を教えてしまった後悔か、
はたまたクリーチャーを息子に引き合わせたために
クリーチャーを追い出してしまった事への自責の念か。

クリーチャー自身も自分の存在が何者かわからず
なぜこの世に存在しているのかずっと苦悩していた。
そして時折、自分の中にどうにもならない怒りや恨みがこみあげてくるのを抑えられなかった。
それがレイシー一家に「化け物」扱いされて追い出されたことで
一気に噴出した。
「裏切りには、どうやって対するのかは知っている」
自分を守ると言っていたレイシーとその息子夫婦に裏切られたクリーチャー
レイシーの家に火をつけ、一家を皆殺しにした。
そして自分を造ったフランケンシュタイン博士の行方を追った。

フランケンシュタイン博士は、故郷の実家に戻っていた。
彼には、かわいい弟や、フィアンセがいる。
本来なら、フィアンセと結婚を進めるはず。
だが、彼は自分が造り出した化け物の影に怯えていた。
そしてその恐怖が現実のものになった。
弟を殺したクリーチャーは、博士に迫る。
「わたしは、自分を愛して欲しかった。博士、わたしと同じような女を造ってくれ
それだけだ。そうしたらわたしは、2人で人里離れた山でひっそりと暮らすから」
怪物を造った負い目、また、新たに人造人間を造ってみたいという科学者的欲望から
フランケンシュタインは、研究室へ。
そこで下男を使い、墓から死体を掘り起こす。
数ヶ月の後、魂のない女のクリーチャー出来上がった。
しかし、そこでフランケンシュタインは、殺された弟の夢を見た。
弟は、フランケンシュタイン
に問いかける「兄さん、また僕を殺した様な怪物を造ったの?」
そこで正気にかえったフランケンシュタインは、女のクリーチャーを切り刻む。
その惨状を見て悲しむクリーチャー
に対し
「この怪物が、お前のように感情にまかせて人殺しをしない、と絶対に言い切れるか?」
と言いすてるフランケンシュタインは、警察に捕らえられる。
墓泥棒と死体損壊の罪で。

故郷に戻ったフランケンシュタインは、家族が心配する中
フィアンセと結婚式を挙げようとする。
しかしフランケンシュタインは、結婚式の夜
クリーチャーが自分を狙ってくるのを予測して
クリーチャーを殺そうと待ち構えていた。
そう、結婚式をエサに人造人間を殺そうとしていたのだった。
フランケンシュタインの予想は当たったが、
クリーチャーは、フィアンセを襲い、フランケンシュタインの目の前でフィアンセを殺した。

その後、フランケンシュタインクリーチャー
ともに命が尽きるまであてのない旅にでた。

ラストがね、観る人によって解釈が違うんだろうな。
あれだけお互いが恐怖に怯えていがみあったはずなのに
最後は一緒に旅に出る。
たぶん博士が先に死んで、クリーチャーも一人で死んでいくんだろうな。

坂本
さんが、ステージの真ん中にある丸い球体から這い出てきた姿には
さすがにびっくりしました。
ほぼ裸で、頭も顔も体も大きな傷だらけ。
最初は、歩かず(生まれたてだからあたりまえだけど)
這い回るように動いて、不恰好に立ち上がって
ふらふらさまよう姿は、産みの親である博士が気味悪がるのもわかる。
でもさ、あんたが造ったんでしょ!
造っている過程で醜いのがわかっているんだから
その時点でもう少しかわいく仕上げてあげたらよかったのに(笑)
まさか、自分でも人造人間が成功するなんて思っていなかったのかな。

何もわからないクリーチャーが森で食べ物をさがしたり
森の中にいた人から食べものをもらったり(いや、奪ったり:笑)
スプーンを使い方も知らないのに大事に持っていたり
鳥の鳴き声や、太陽の日差しに、子供の様に喜びを感じたり
そんな姿が無邪気で醜くて、かえって哀れを誘ったわ。
やっとたどり着いたレイシーさんの家で
言葉を教わるうちに、自分の醜さが嫌われる理由だと実感したクリーチャー

息子夫婦から隠れて、若い奥さんの為に
畑を耕したり、冬のために薪を山ほど割ったり、食料を捕ってきたり
たくさたくさん尽くしたのに、結局「化け物!!」とののしられて
家を追い出されたときには、
正直「ああ、やっぱりな。そうなるよね・・・」って思った。
だって、あの姿じゃ・・・・・・(^^;)
フランケンシュタイン博士のせいよ(笑)

ただ、恩を仇で返すというか、言葉や知識をくれた人を焼き殺すのはダメだな〜。
それじゃあ、「ひとでなし」になっちゃうわ。
恨みや憎しみから、自分を造った博士を求めてさまようクリチャーの心情が難しかった。
フランケンシュタイン博士が、人造人間を造ろうなんて思わなければ
人を人が造るなんてことを実現しなければ、こんな悲劇はなかったんだよね。
でも、19世紀のヨーロッパだから科学はそんなに進歩してないし
だから死体をつなぎ合わせて人造人間を造るなんてバカな事をしたんだね。
それでもつぎはぎだらけの死体が動かせたのは、博士の実力なのね。
天才だからこその狂気かな〜、その博士を慕ってずっと待っていた
フィアンセがかわいそうだった。
フィアンセは、お嬢様なのにやさしくて、クリーチャーにも理解を示してくれたのに
そのやさしさを利用して、博士の目の前で殺してしまうなんて。

博士は、気が弱かった。
自分で造ったくせにクリーチャーを見捨てて逃げた。
全般的に、なさけない人だった。
東山さんは、最初に生れ落ちたクリーチャーを見て
怖くなって自分のコートと日記を投げつけて逃げ出したきり。
舞台前半は、ほとんど坂本クリーチャーだけしか登場しなかった。
そのぶんクリーチャーの怪物っぽさが目立っていた気がする。
最後に、家族やフィアンセを殺されて
家にいられなくなった博士クリーチャー
に命令されて
吹雪の中、歩き続ける。
そのそシーンが印象的でした。
BGMも雷や、ロックっぽい音楽が多かったけど
ルナシーのSUGIZOさんらしい(どうりで)

全体的に暗くて、怖い舞台だった。
血が飛んだり、死体がころがっていたり、最前列は怖かったろうな(^^;)
もしも再演されるなら・・・・どうしよっかな(笑)