風助さ〜〜ん!    icon26b.gif - 2,668Bytes


大ちゃんの「センゴクプー」を観に行ってきました、グローブ座。
今年になって3回目よ、グローブ座に行ったのは(笑)
席は「1階E列24.25」で大きい会場ならば「すっご〜い!前のほうの席だね!」と喜ぶが
グローブ座は、小さいのでE列は、会場の後ろから5列目くらいでした。
でも会場が狭いから、よ〜く声も聞こえたし、楽しい舞台でしたよ。

時は戦国時代。武士たちが天下をとろうと戦を繰り返していた天正10年。
元伊賀忍者の風助(おおちゃん)は、どこにも仕官せず自由に生き、刀を持たず己の話術の槍で敵の心を差す
「戦国時代のプータロー=センゴクプー」と呼ばれていた。
風助の言葉巧みな話術と強さにホレて、彼の命を狙っていた雷蔵は風助の仲間となる。

その国の領主 天城嵐山は、風助を「危険人物」として部下の竜巻達に風助討伐を命じる。
だが、何度も命を狙う竜巻たちにも風助の話術には勝てない。
そんな風助にココロを動かされた農民たちは傍若無人なふるまいの領主を
なんとかしようと立ち上がる。嵐山は「農民一揆か!」と農民を静めようとして
部下を向かわせるが「これは一揆ではない、祭りだ!」と指揮をとる風助の話術に
またもやハマり、武士達はみんな戦意喪失。

嵐山に鉄砲を売りつけに来ていた宣教師のヌゥベンは、風助の生き方に興味を持ち
それを日記につけ始めた。
そして「あなたの話術はすばらし。是非一緒に外国へ行って布教に協力して」と
話を持ちかける。
教会をたてて、苦しむ人々に神の教えを導くために銃を売り、お金を集めているというヌゥベンに風助は
民衆を助けるために、民衆を殺す道具を売るのか?あんたの神ってそういうヤツなのか?」と
宗教の矛盾を問う。ヌゥベンは何も答えられなかった。

嵐山の配下の竜巻は敵ながら風助の力にひかれて「風助を殺さずに我が軍に引き入れたら」と
嵐山に提案する。嵐山も偵察がてらに京都の公家に変装して風助に会い、
「仕官しないか」と誘うが、風助はそんな話に全く興味がなかった。

嵐山は本格的に風助を討とうとするが
風助は、決して刀を抜かず、脇に差した「しゃもじ」を刀のかわりにして敵から身をひるがえし、
負ける事はなかった。

そんなとき、嵐山の軍師雪那(吉野きみか)は、密かに農民に紛れ込んでは民衆をたぶらかして
農民一揆を起こそうとしていた。目的は、嵐山を討つこと。
彼女は、もとは甲賀の姫で、配下の女忍者しぐれとともに里を追われて2人で生き延びてきた。
彼女は自分の境遇のこともあり「女が統治する女のための世の中をつくる」ために
自分のことしが考えない領主、嵐山を自分の手を汚さずに討とうと画策していたのだ。

雪那の策は着々と進み、一揆の話は風助の相方の雷蔵の耳に。
農民に変装した雪那に「アナタは一人では何も決められないの?ということは『2人でセンゴクプー』って
言ってるけれど、アンタよりも風助さんのほうが上なの?」と言われ、
頭に来た雷蔵は一揆の加勢を約束する。
だが、後でソレを聞いた風助は「やめておけ、弱いやつが集まっても勝つわけがない」と
一揆の加勢を雷蔵にやめさせようとする。
2人は言い争い、雷蔵は「お前は自分のことしか考えていない」と風助に言い放ち一揆の加勢に出かけていってしまう。

風助は、仲間のためにもう一度刀を持とうとするが思いなおし、買った刀をヌゥベンに返す。
かつて風助も忍者として刀を持ち、闘っていた。
しかし、戦でさらわれた姫を助けるために命がけで敵を全滅させた風助に対して姫が
「そんなに血を流さずとも、他に方法があったのではないのか」と責めたために
「それじゃあオレは、どうすればいいんだよ!」と悩み、そして刀を棄てたのだった。
刀を返されたヌゥベンが「これは風助さんに上げます。人を切る道具ではなく、
自分が生きるために使ってください。あなたには死んで欲しくない」と
一揆に向かう風助を見送った。

だが、雪那のあやしい動きは嵐山が気づいていて雷蔵達は待ち伏せされてしまう。
ヌゥベンから買った銃を向けられた雪那と雷蔵そしてしぐれ。
駆けつけた風助は、こうなる事を予想していた。そして「皆を助けてやってくれ」と
自分の命と引き換えに雷蔵達を逃がそうとする。
そこへヌゥベンが銃を持って現れ風助に味方すると言う。
雷蔵達を逃がしたあと、風助はたった一人で嵐山の軍勢と対決する。
竜巻が「一度でいいから、刀を抜いてオレと勝負しろ!」と迫るが風助は
それでも刀を抜かない。ついに嵐山との一騎打ち。
そこでも風助は、話術と「口」で闘う。
一瞬、戦意を喪失した嵐山と、武士達に対して「新しい殿様を探すんだな」と言い残して去っていく
風助を嵐山の部下たちが追いかける.....。

雷蔵達は逃げ切った隠れ家で風助の無事を祈っていた。
「どうしてオレなんかの為に...」肩を落とす雷蔵。
雪那は「どうして敵の自分を風助が助けたの?」と不思議でならなかった。
だがヌゥベンは「きっと風助さんがあなたを気に入ったから。一人で生きてきた風助さんも仲間が必要だから」と
風助を待つ。
そこへ、竜巻が傷ついた風助をかついで現れる。
「嵐山は殺しはしなかった。こいつを返すぞ」と。
気丈に振る舞う風助の異変に気づいた雪那は「その首の襟巻きの色...!それを取って見せて!」

赤い襟巻きを外すと、首には大きな傷跡が。嵐山は、風助を殺しはしなかったが風助の「武器=命」
の声を奪ってしまった。
「これでは、風助は殺されたのと同じだ!」怒りに震える雷蔵達に、竜巻も「オレだって納得してねぇ!」と
嵐山のやり方に怒る。
雪那は「風助、答えろ!『普段は柔らかくて使うときに硬くなるモノ』はなんだ!? 答えろ!」と
なぞなぞで風助と戦ったときの謎掛けをして、風助の声を確かめようとする。
だが、もう風助に声は戻らない。

すると突然風助が刀を抜く。誰もが風助が自害すると思い「やめろ!」と止めようとする。
だが、風助は刀を壁に滑らせてある文字を書く。
大きな字で「マダマダ」
そして両手を高く上げて、皆に訴える「まだ負けない、この両手があるんだ!」と。
戦国の世をコトバで生きぬいてきたセンゴクプー。
彼は声を失ったが、かけがえのない仲間を得ていた。


と、こんな内容でした。戦国時代のストーリーということでセットも和風。衣装も着物。
大ちゃんはとっても軽やかでした。
ま、テレビではおとぼけキャラの大ちゃんですが、コンサートやミュージカルではカッコいいのを
ぬーは十二分に承知してたので、アクション&オクロバットはお手の物なんだろうなぁ、とわかっていたが
あんなに殺陣や身のこなしがキレるとは!ビックリしたよ。
ああいうアクションはタイミングがずれたら大変なのに
一寸も狂わないし、戦国時代の難しいセリフもたくみに操り、
「おおちゃんやけに舌滑がいいじゃん」と感心してしまいました。
そして相変わらず「かわいい...(*^^*)」のでした。
グローブ座に入るとBGMに嵐のアルバムがかかっていて
「うわ〜、なんかはじまる前から楽しいね」と喜んでいたら1ベルが鳴った。
それでもBGMは止まらなくて上演中の諸注意がアナウンスされて
曲は「A.RA.SHI」に。もうお芝居が始まるのにまだ止まらないの。
で、曲のボリュームがぐっと上がって、照明が暗くなってそのまま劇がスタートしました。
最初から派手なアクションが炸裂。大ちゃんはやっぱりカッコいいんだわ、これが。

最初に武士達に「春画=昔のエッチな絵だろうな」を売りつけてお金をもうける。
でもその春画は思いっきりインチキ。ただ花の絵が描いてあってそこに「春画」の字が書いてあるだけ(笑)
武士が「だましたな!」と怒ると「コレを開く前にいろいろ想像しただろ?ドキドキしただろ?
オレが売ってるのは春画じゃない。夢を売ってるんだ」といいくるめ、
自分を討ちに来た竜巻には「オレが、これからお前のやる事を当てたら命は見逃してくれ」といい
うま〜く逃げる。見ているうちにぬーも大ちゃん演じる風助にすっかり引き込まれていたなあ。
それに、言い当てる時の一休さんみたいな仕草と「より目」は爆笑モンでした。

それから吉野きみかちゃんが演じた雪那との戦いも楽しかった。
刀を向ける雪那に「しゃもじを互いに取り合い、しゃもじを持ったほうが謎を出して一方が答える。どうだ!?」と
風助がなぞなぞ対決を持ちかける。お互いに「いないときに居て、居るときに居ないものなんだ!?」とか
アクションを織り交ぜながらナゾナゾが繰り広げられる。
間に入った雷蔵もナゾをだすハメになり「上は大水、下は大火事なんだ!?」と誰もが知ってる
ナゾナゾを出して蹴りを入れられる始末(笑)
そして最後に風助が「普段は柔らかくて使うとき硬くなるものなんだ!?」と出したナゾナゾで
事態はアヤシイ方向に。雪那が「ち...!」と一言。
お客さんの脳裏にもある物体が浮かんでいたのに違いない(笑)
大ちゃんは持ってるしゃもじを腰に当てて妖しく揺れてるし、どうしてもある物体のイメージが離れない(笑)
雷蔵は「言ってみろ!言ってみろよ〜〜!!!」と雪那にせまる。
「...ち..ち..ち...! 言えるか〜〜〜〜〜!!!(怒)」と完全に切れた雪那が2人を追いまわす。
ところが風助は涼しい顔で「え!?『げんこつ』が言えないのか?」と拳を前に突き出す。
...そっか...確かにね(笑)

ちなみに雷蔵さんと敵の竜巻さんは以前も「センゴクプー」を同じ役で演じていたんですって。
それから女忍者のしぐれは、顔に必要以上のメイクを施して「ブス」を力いっぱい演じてました。
それにしても、しぐれさんは動きがすごい!女なのにさすが役者(笑)
雷蔵に飛びつき、押し倒して腰を振る。「らいぞうさぁ〜〜ん」と気分はすっかり女房(笑)
雪那に忠誠を誓いながらも雷蔵に心を寄せる一途な女忍者を演じていました。

そしてそしてこのお芝居にもブラックホースが。
だいだい舞台って主役を食っちゃう端役がいるから面白いのよ。
今回もそういう名脇役が。宣教師のヌゥベンさん(笑)
宣教師だからカタコトの日本語をたくみに操り、会場を爆笑の渦に巻き込みまくり。
「ワタシにほんご『びらびら』....べらべらで〜ス!」とか
ハナヂだして...ハジメまして...」とか「あたまとでね...イヤ、また後でね」とか
「ワタシウラメシイ。....ウラヤマシイ」とか(笑)
わざとらしい言い間違いを連発。しかも人にツッコませないで絶妙の間で自分が言い直すという
荒業をやりつくしました。
ヌゥベンさんが出てくるだけで、ぬーもぱんたさんも「何か言うぞ、言うぞ」と期待しちゃって
笑い死にそうでした。
このヌゥベンさん、実は、長野博のフォーティンブラスでも大活躍した役者さんです。
博の舞台の時は墓堀のノブさんというお酒が大好きなベテランの役者さんでした。
そして今回は怪しい宣教師。大笑いさせていただきました。
普通にしゃべってていきなり「脇〜〜」って言うのね、客席が「何!?」って一瞬固まると
それを確認してから「...え〜、また〜(股)」って言い直すの。
接続詞を言い間違えたというオチなんだよね(笑)

それから農民一揆の場面では、客席の通路に農民が押しかけて、お客さんを
「アンタも一揆一揆!」と巻き添えにて、観客と舞台が一体化しました。
そこで風助が「みんなオレの声に続け!」とマイクを持って「WOW!」を歌いだしました。
まるで大ちゃんのライブみたいでした(*^^*)

最後は、風助が声を失って悲しい結末だったけど
それでも望みは棄てないラストでした。

カーテンコールで大ちゃんが挨拶をしたんだけど
「.....」と口をパクパク。雷蔵が「お前、喉のキズ治ってるだろ?なんかしゃべれよ!」と
言うんだけど、おおちゃんは声を出さない。
挨拶の代わりに「ありがとうでした 大野」と書いた紙をお客さんに見せる大ちゃん。
そしたら雷蔵が「声は出なくても、歌は歌えるんだろう?」と
しゃもじにマイクを付けた特製マイクを差し出すとまた「WOW!」が流れました。
しばらくノリノリで歌った後大ちゃんが「なんかウォウウォウ言い過ぎたな」だって(笑)

で、2回目のカーテンコールでは、大ちゃんが「怪我の多いボクですがあと1ヶ月怪我なく終われるように
皆さんホントに祈っててください。みなさん気をつけて帰ってください...雨は、降ってません!」と言うと
会場は「えぇ〜〜!?」とブーイング(笑)
そう、今日は、外が雨模様だったのね。でも、あたしら大ちゃんも含めて外に居なかったんだから
外の天気がわかるはずがないのよ。そしたら大ちゃんたら「え...じゃあ雨は降ってます」と訂正してんの(笑)
それを聞いた会場は、またまた「えぇ〜〜!?(笑)」の嵐(笑)
そして大きくピースサインをして大ちゃんは去って行きました。

すっごく楽しかったのよね。もう一回行きたいゾー!