プロデューサーズ
プロデューサーズを観に行ってきました。
イノッチと博のミュージカルです。
青山劇場ですから、ホンモノのオーケストラです。
指揮者の方がオケピの壁からちょこっとお辞儀して舞台は、始まりました。
まずはブロードウェイの劇場。
昔は敏腕プロデューサーだったマックス=ビアリストック(イノッチ)が
手がけた舞台は、評判が悪くて初日でクローズしてしまった。
マックスは、舞台の資金繰りのために年老いた未亡人相手に言い寄り
そのつど小切手を貰っていた。
そんな落ち目のプロデューサーのところに会計士のレオ=ブルーム(博)がやってきた。
帳簿を調べるレオがふと「へ〜〜...舞台が失敗するほうがお金が残るんだ....」
という言葉を聞き逃さなかった。
マックスが「レオ!一緒にやろう。失敗作を作ろう!」と持ちかける。
マックスが欲しいものは、かつての栄光ではなく「お金」だった。
子供の頃にマックスの舞台に感動し、今もプロデューサーという職業にあこがれるレオだったが
サギまがいのことは出来ないと、計画に乗るのを断る。
だが、会計事務所に帰ったレオは、今の自分に嫌気がさして
再びマックスの所へ行く。
そしてマックス&レオは、「史上最低の台本&役者&スタッフ」を集めようと奔走する。
マックスが老婦人達から資金を200万ドル集め、
最低の舞台を開演し、1日でクローズになれば、
舞台は、一応上演されているから、出資金を出資者に返さなくてもいいし
興行収入も無いから、配当金を出資者に返さなくてもいい勘定になる。
すると集めた出資金の未使用部分は、自分たちの懐に入る。
それを犯罪としてとがめることは出来ないのだ。
2人は、ユダヤ人の嫌う「ヒットラー」を題材にした脚本を見つけ
その脚本家(クワマンさん)に上演許可を調子よくもらう。
さらにマックスが「ヘタな演出家」だというロジャー(藤木孝さん)と
そのロジャーの恋人のカルメン(岡幸二郎さん!)をゲット(笑)
ロジャーの舞台関係者はすべて「ゲイ」だった。
役者も全て実力の無いヘタな役者を選んだ。
さらに偶然マックスのアパートに転がり込んできたスウェーデン人のウーラ(彩輝直さん)も
加わり、舞台は失敗間違いナシだった。
ところが幕が開いてみると舞台は連日大好評。
マックスとレオの計画は、失敗してしまった。
警察に連行され、留置所に入れられたマックスのところに1通の手紙が。
そこには「ブラジルにいても君のことは忘れた事は無い」とレオからの手紙が。
親友だと思っていたレオに裏切られたマックスは失望し
自分の罪を償うための裁判に掛けられた。
と、そこへレオが駆けつけた。
「やっぱり君は、ボクの友達だから!」レオは、今までの出来事を告白した。
そして2人には、仲良く懲役5年の懲役が下された。
留置場でも2人は、死刑囚たちにもダンスや歌を教えた。
その功績が認められて恩赦が与えられ、懲役よりも短い期間で釈放される。
そしてマックス&レオは、再びブロードウェイに戻ってきた。
マックスは、自分の帽子をレオに与えた。
それは、レオが「いつか被ってみたい」と願っていた「プロデューサー」の帽子だった。
オープニングでイノッチはシルクハットにヒゲ(笑)
イノッチが演じるマックス=ビアリストックは、昔は敏腕プロデューサーだったのに
今は、手がける舞台がほとんど世間に受けず、落ち目。
寂しい未亡人に援助交際することによってその見返りとして小切手をもらっていた。
マックスの部屋には、そんな交際中のおばあちゃん達の写真がたくさん飾ってある。
おばあちゃん役には松金よね子さん(笑)
小柄なよね子おばあちゃんがマックスに求めるのは「いやらしい遊び」←(^^;)
「エルメスと電車男をやりましょうよ〜」とマックスにおねだり。
マックスは、お金さえいただければいいんだけれど、律儀におばちゃんに付き合う。
一見お年寄りを狙ったサギ師のようだが、
夫を亡くしてさみしいおばあちゃん達にとって、マックスの存在は元気の源なのだ。
松金よね子さんのおばあちゃんは、本当に可愛かった。
ちなみに松金さんは、おばあちゃん役のほかにもシスター、ダンサー等いたるところに出てた。
ダンサー役の時は、ホンモノのダンサーさんと同じ振り付けでカンペキに踊ってた。
松金さんが、マックスの次に働いてたかもしれない(笑)
博のレオがまた非常にハマリ役だったと思う。
子供の頃に観たマックスの舞台で感動して
「なりたいのはプロデューサー。いつかきっと!」とユメを見ていた。
でも現実は自信のない会計士で、おまけに赤ん坊のころから青い毛布が手放せない。
すこし興奮すると脅迫観念にかられてパニックを起こす。
声は裏返り、毛布で首を吊るような行動を起こしてしまう。
「ああああ〜〜〜〜〜!!!近寄らないで!!近寄らないでぇ〜〜〜〜!!」と
興奮するレオに、マックスは「どうすりゃいいんだよっ(怒)」と困惑しながら
とりあえずレオのマネをしてスカーフを首に巻いて頭の上で耳を作り
「ほ〜らほら、ウサギちゃんだよ〜〜〜」と一生懸命あやした(^^;)
するとそれを見て少し落ち着いたレオは
「あ〜〜〜〜.....だんだんいいカンジになってきました〜(~~)」とゴキゲンになった(笑)
そんな2人が「世界一評判の悪い作品を作ろう」と探し出したロジャー&カルメン。
2人は「ゲイ」。
最初、2人を出迎えたのは、全身黒タイツ(みたいな服)のカルメン(岡さん)
髪はオールバックで前髪をひと房チョロリと垂らし妖しさ200%(^^;)
立っている時は、常に足のくるぶしをつけてつま先を開いて「プリマ立ち」
そして物腰もやわらかい。
ロジャーを呼びに行くために舞台からハケてく時は、右手を水平に上げて
めっちゃスローに退場していった。
しかもその右手をいつまでも舞台から引っ込めずにずっと見切れたところに残してた。
客席&マックス&レオは、そのカルメンの右手の動きを思わず息をのんで凝視してた。
で、やっとその手が引っ込んだ瞬間、笑いと「お〜〜...」と安堵の声があがった(笑)
ゲイの家(?)だから、部屋は豪華&メルヘンちっく。
レース&花&ピンクで飾られてて、ソファーのクッションは「くちびる」のカタチだった。
そのクッションに気づいたマックス&レオは、それに手を入れて「ひっ!!」と悲鳴をあげた。
カルメンに呼ばれて出てきた演出家のロジャー(藤木さん)
なぜかシルバーのラメのイブニングドレスを身にまとっていた。
レオは、思わずズボンのポケットから例の毛布を取り出してマックスに訴えた。
「ドレスを着ています!!」←パニック寸前(笑)
そんなとりみだしたレオにマックスは一言「気にすんな」←それはムリだろうね(^^;)
で、ドレスを見て「ビルそのものですね!!」とか、お得意のお世辞を使うマックスだった。
でも....「ビル」って誉められてもうれしくない(笑)
脚本&演出が決まり、資金も集まったところへウーラ(彩輝さん)という女性がやってくる。
スウェーデンから来たと言うウーラは、妙に色っぽい。
彩輝さんは、宝塚で男役だったはず。なのにあの色気は何なんでしょう!?
だいたい元男役の人が女性を演じると、めっちゃ女っぽいのよね。
今回の彩輝さんは、格別に色っぽかったと思う。
ウーラは、カタコトの英語しか喋れないのでイントネーションもおかしい。
とにかく「オーディションしてください」と、マックスの舞台に出る気マンマン。
舞台に出たいウーラがマックスたちに強烈アピール。
でもアピールしてる方向がすこ〜〜しおかしい(笑)
どこかちょっとズレてるところが可愛かった。
で、強烈アピールを受けたマックスはソファーに座り
「こうやって座っているけれど、立ったまま応援してるんだ」とシモネタ発言(^^;)
でもレオは、ウーラに「きれいな人ですね。こんな気持ちになったのは初めてです」と一目ぼれ。
ウーラもマックスよりはレオのほうが好きらしい(笑)
レオは、ウーラに思いを寄せてるのに緊張してなかなか親しくなれない。
で、つい逃げ腰になるレオに「どうして舞台下手前まで行ってしまうの!?」と
玄人好みの質問をした(爆笑)
結局レオとウーラは、いいかんじになるんだけれど
そこまで行くのに2人が歌を歌うシーンがあって、そこが面白かった。
最初はレオが「気になる、あの顔」というような内容の歌詞で
「あの(ウーラの)顔が、脳裏に焼きついてて頭から離れない」みたいに歌うと
部屋のセットの壁いっぱいにウーラの大きい顔がいくつも浮かんできた(笑)
そしたら今度は、ウーラも「あの顔が気になるの〜」と歌いだした。
するとセットの壁には大きく目を見開いた長野博....イヤ、レオの顔が浮かんだ。
この「顔」には、客席が大ウケ(ぬーも大笑いした)
今回のプロデューサーズって、何でもアリなのね(^^;)
で、実際のオーディションでは、マックスたちが集めた
ダンサー&シンガーの中から「よりヘタな」人材を選定。
でも、そんな2人の策略を知らないロジャー&カルメンは
一生懸命「ホラ!アラベスク!!ピルエット!!!」と振り付けをする。
そのカウントをとってるカルメンさんは、めっちゃ面白かった。
そのカルメンさんは、舞台初日にロジャーに花束を持って客席から登場。
かわいらしく手を振り、ロジャーに花束を渡した。
でもいきなりぬー達の横の通路を走っていく岡さんを発見したときは驚きました。
暗い客席の通路を走る姿もちゃんとゲイっぽかった(笑)
で、花束を渡したあと退場するときも右手だけ舞台に見切れて残した(大笑)
さすが舞台のプロだ。でもあのおかしさは実際に観なくちゃ伝わらないんだろうなあ(笑)
最後にマックスの舞台が大当たりしちゃって、大もうけの計画がパアになったので
マジメなレオは、「警察に裏帳簿を持っていって自首する」と話す。
でもマックスが「ダメだ!この残ったお金で(ブラジルの)リオに逃げよう!」と
自首を拒んで言い争っているうちに、警察につかまってしまう。
警察に連行されたマックス。あれっ?レオが消えた!?
と思ったらドアの影のコート掛けに吊るされていた(>▽<)
そこへウーラがやってきて、
「自首!?ダメ!手元に残ったお金で一緒にリオに逃げるのよ!」と
マックスと同じようなことをレオに言う。
するとレオは、大いに悩み「オリに行くか、リオに行くか.....!!」と悶絶してた。
オリとリオ....ダジャレか(^^;)
全般的に細かいギャグがあって本当に楽しかった。
でも、最後には警察につかまったマックスをレオが見捨てられずに助けに(?)行く。
最初はお金儲けやユメを現実にしたいだけだった2人が
いつしか友情で結ばれていたんだね。
イノッチは、声も張ってて「ほんもの」っぽかった。
でも博は、声が優しすぎるのでたま〜〜〜に不安がよぎる歌声だった(笑)
歌って踊った博に対してイノッチが「...歌手だったんだな〜〜....」と
言ったのが印象的だった(笑)
友情がテーマの舞台は、久しぶりでした。
笑わせてもらって、泣かせてもらって。
見終わってこんなにほんわかした気分で帰れるのも久しぶり。
やっぱりラストは、みんなが幸せに限る(笑)